イエメンの街

イエメンは中東諸国の中でも最貧国といえるでしょうが、なんとも魅力に満ち溢れた国です。イエメンの歴史は古く、紀元前10世紀くらいから続いているそうです。乳香の貿易で栄えましたが、石油が産出されないらしく、他の中東諸国のようなオイルマネーによる近代化から取り残されてしまったため、今も昔ながらの生活が続いており、街の姿も当時のままで人々が暮らしている光景を見ることができます。

砂漠という過酷な自然と、絶えずあった部族間の争いの中で、集まって住むという方法を選び、工夫して住み続けてきた独特の集落がイエメンには数多く見られます。 

首都サナアの旧市街は、街に入ると映画の中のシーンのようで、アラビアンナイトのような世界が広がります。そして腰に刀を差した男たちが闊歩しています。みな口ひげをはやし、目つきは鋭く、一見怖いですが、とても優しい人が多い。子供たちは人なつっこくカメラを出すと集まってきます。 イエメンは現在では治安の問題があり、なかなか簡単に足を踏み入れられない国となってしまっているのが非常に残念です。早く世界の人々がこの魅力的なイエメンという国を安全に観光できる日々が来てほしいと願っています。

首都サナアの旧市街
サナア旧市街の広場を歩く人々。腰にジャンビーアという刀を持っている。これは、現在では成人男子の証だという。
イエメン内陸部シバームという街: 砂漠の中に突然と姿を現す。「砂漠の摩天楼」といわれている。
シバームの街並み: 9階建てくらいの細長い住宅が林立している。
飛行機よりシバームの街を見る: シバームへは、首都サナアから飛行機でサユーンへ飛び、そこからタクシーで30分ほどで行くことができる。
シバームの街の中の道:細い道の両側にびっしりと日干し煉瓦でできた高層住宅が立ち並ぶ。構造上、建物の外壁は斜めになっており、上階へ行くほど細く、壁は薄くなっている。
首都サナアから紅海へ車で向かう途中の風景: 山の頂部や中腹に集落があり、斜面にはびっしりと段々畑が作られている。
ハジャラという街: 岩の上に要塞のように家が建っている。イエメンにはこのように山の上と下に街が作られているものを数多くみることができる。上の街は敵を見張り、襲来の際に下の住人を避難させ、かくまう役割。下の街は水不足となった時に水を上の街に供給するなどの役割。助け合いながら生活してきたらしい。
イエメンの住宅の最上階にはこのようなマフラージというホームパーティーを行う場所があることが多い。ここで水タバコなどを吸いながらおしゃべりをする。
装飾窓の工房: 窓飾りには様々な模様のものがあり、住人の個性を表現している部材。
住宅の建材 日干し煉瓦: イエメンの住居は日干し煉瓦か石積みのものがほとんど。この上に漆喰で装飾したりする。

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