イエメンは中東諸国の中でも最貧国といえるでしょうが、なんとも魅力に満ち溢れた国です。イエメンの歴史は古く、紀元前10世紀くらいから続いているそうです。乳香の貿易で栄えましたが、石油が産出されないらしく、他の中東諸国のようなオイルマネーによる近代化から取り残されてしまったため、今も昔ながらの生活が続いており、街の姿も当時のままで人々が暮らしている光景を見ることができます。
砂漠という過酷な自然と、絶えずあった部族間の争いの中で、集まって住むという方法を選び、工夫して住み続けてきた独特の集落がイエメンには数多く見られます。
首都サナアの旧市街は、街に入ると映画の中のシーンのようで、アラビアンナイトのような世界が広がります。そして腰に刀を差した男たちが闊歩しています。みな口ひげをはやし、目つきは鋭く、一見怖いですが、とても優しい人が多い。子供たちは人なつっこくカメラを出すと集まってきます。 イエメンは現在では治安の問題があり、なかなか簡単に足を踏み入れられない国となってしまっているのが非常に残念です。早く世界の人々がこの魅力的なイエメンという国を安全に観光できる日々が来てほしいと願っています。